【ムカデに刺されたらムヒ ムカデ咬症に抗ヒスタミン剤だけで良いのか? 怖い酵素毒】
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【当サイト訪問者の検索キーワードの中に『ムカデに刺されたら ムヒ』というのがあるけど.....】
【記載日時】 2010年8月26日pm7:00
当サイトを訪問された方々の利用された検索キーワードの中に『ムカデに刺されたら ムヒ』なんていう変な検索キーワードが含まれています。
特定の製品を薦めるかのような検索キーワードは大体『仕込み』である場合が殆どと言っても過言ではないでしょう。
最近はそういう検索を行った人が他にどういう検索を実行していたのか知る手段もあるんです。その意味でこれはとっても怪しいキーワードですね。
この検索候補キーワードは多く実行されている検索に基づいて決定されるようなので業者側で都合のいい候補を簡単に作れるわけです。
口コミや相談ページも質問者が締め切ると新規投稿を禁止でき、良回答を自社製品への回答に付けることで検索上位に表示し続けることができます。
このような自画自賛回答も多いので口コミや相談ページにはSPAMとなっているページがとても多いのです。業者に好きなように使われています。
零細業者でもこの仕掛けは使えるので、そのうちSPAMページだらけになってしまうでしょうね。
PPP:Pay Per Postというビジネスモデルもあります。Pay Per Postとは業者がお金を払って関連商品を絶賛、薦めるブログ、記事を書いてもらう
『やらせ』です。よくあるのは、ちっとも効かない『ポイズン・リムーバー』とか皆さんよくご存じの薬等です。
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しかし、ムカデ咬み症の件は例え病院に行っても処置を誤ると組織が壊死を起こして切断手術となるケースもあります。
1)例1
2)例2
業者の宣伝に乗ってしまったり、不適切な治療を行うと取り返しがつかなくなるケースもあるのです。
痛みを取るために人気のある局所麻酔(キシロカイン)もアナフィラキシー・ショックを起こす場合があります。
医者にショック症状はムカデ毒のせいだと騙されるケースもないとは言えません。
ちょっと気になる事がありましたので書いて置きます。
まず、先に下の人のページを確認してほしい。
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● てんじん山・魯閑人日記 ~參河の國・岩津天満宮から・つれづれなるままに~
>2010年05月22日 ムカデの毒 昨夜、伊勢から帰りまして部屋にて寛いでおりましたところ、なにやら手のあたりがもそもそいたしまするによって、手を動かしましたる瞬間「ちくり」といたしましたのでござりまする。ななんと、見ればムカデが這っておるではござりませぬか。う~~むっむ~~~~
>そのうちに「ちくり・ずきん・ずきん」といたして参ったのでござりまする。早速、ムヒを塗ってやりましたら、ようやく傷みはひいて参ったのでござりまする。もうこれで良かろうと存じおりましたところ、今日になりこの様に毒が回って参ったのでござりまする。痛くはござりませぬが、痒みがござりまして、まるで子どものような可愛らしき手となってしまったのでござりまする(略)
この方はムカデに刺された後で、抗ヒスタミン剤を含んだムヒを使われたようです。一時的に痛みはひいたが、数日後腫れたとのことだ。
何故、一度は『痛み』が引きながら腫れてしまったのだろうか? 気になったので少し考察してみた。
ムヒには『抗ヒスタミン』成分が含まれており、ヒスタミンに対しては効果はあったはずだ。
しかし、ムカデの毒の成分は複雑でヒスタミンだけではない。
Google検索によれば、ムカデ毒の正体は毒に含まれるヒスタミン様物質や溶血タンパク質(ヒスタミン、ヒアルロニダーゼ、サッカラーゼ、セロトニン、蛋白分解酵素など)と書かれた記述が見つかります。
ムカデの毒の成分を役割別に分類してみると次の3つのグループに分かれるように思えます。
■1つめは『ヒスタミン』(活性アミン)です。アレルギーの原因物質です。言わば毒の本体と言えます。でも『ヒスタミン』が組織内に入らなければ問題はないはずです。ヒスタミンは加熱に強いそうです。
■2つめはたんぱく質で構成された『酵素』であるヒアルロニダーゼ、タンパク質分解酵素、サッカラーゼといった酵素群(組織破壊酵素?)です。例えば、ヒアルロニターゼは結合組織のヒアルロン酸を分解し、毒(ヒスタミン)の組織内への浸透を助ける役割を担っているようです。他のたんぱく質分解酵素やサッカラーゼもヒアルロニターゼと同様、ヒスタミンが組織内に浸透するのを助ける役割を果たしていると考えられます。勿論、酵素だけでも細胞を破壊していきますのでこれも毒には違いありません。
■3つめが『セロトニン』(覚醒ホルモン)です。神経に作用する成分のようです。神経を過敏にさせてヒスタミンの刺激を何倍にも増幅する役割を果たすようです。
痛みはヒスタミンが原因でセロトニン(覚醒ホルモン)はその痛みを増幅しているだけ。だから抗ヒスタミン剤で痛みは治まる。
でも痛みは伴わなくても、酵素毒はそのままだ。
酵素というのはたんぱく質で構成された分子量の大きな物質で37~40℃くらいの温度で活性が最大となる。言わば生物が生み出した『触媒』だ。
少量でも体内に侵入してしまうと、酵素が壊れるまで反応を続けることになる。つまり、細胞破壊が続くのだ。
それが数日後に腫れた理由だろうと思う。
結論を書いておく。
処置の仕方次第では毒成分の細胞破壊酵素群(タンパク質分解酵素、ヒアルロニダーゼ、サッカラーゼ等)が体内に残留してしまい、細胞破壊を続け、数日後に腫れあがったりするケースが考えられる。
最善の策は、
1)火傷しない程度に熱いお湯で患部を良く温めて、患部周辺を丁寧に石鹸やシャンプーで洗浄してムカデ毒を洗い落とす。
(最悪、患部の水洗いでもやらないよりはましだろう。)
2)その上で抗ヒスタミン剤を使う。
ではないかと思う。
順序は重要だ。
ネットでムカデ関連の情報を収集していると、病院で抗生剤と抗ヒスタミン剤の投与の処置を受けながら残念な結果になっておられる方(1ヵ月の重傷)が何人も検出されている。
中には悲惨な結末(壊死した組織の切除)の方も。医療現場では酵素毒成分ももっと着目されるべきだと感じる。
ただ、酵素毒が深部に浸透した後だと、温熱療法でその酵素毒を失活させるのは血管の冷却効果のため凄く困難だ。
深部(といってもたったの2mm)に浸透してしまった酵素毒を無毒化できそうな加熱法は『サーモトロン』くらいしかないと思う。
ところがサーモトロンは特殊な装置なのでそこらの病院にはない。
なので、まだムカデ毒が皮膚表面にあるうちに病院に行く前に適切な応急処置を施しておくことがとても重要な事なのだ。
とはいえ、ムカデ自体殆ど研究されておらず、絶対的な治療方法は確立されていません。最後は自分の判断でしょうね。
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