【参考資料】投稿記事 「心電計の製作

更新日 /2006/05/27/
最終更新日 /2009/01/27/


   



 

トランジスタ技術 20061月号
心電計の製作
【注意事項】
 本ドキュメントで紹介する製作物は、作り方や使用方法を誤ると人体に影響を及ぼす可能性があります。バッテリー駆動やAC結合、光絶縁など、安全には万全を期していますが、電子工学および医学に対する十分な知識と電子回路の製作経験が少ない方は決して製作しないで下さい。                                    Tomoaki Ueda  (上田智章)
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【予告】この記事は古くなったのでもうすぐ再編集されます。

【心電図から何がわかる?】

WPW症候群や不整脈
 前述した興奮伝導の過程は、健常者のものです。例えば、WPW症候群と呼ばれる先天性疾患の場合にはQRS群の立ち上がりが早期に始まり、傾斜が長く続くので、図5(a)に示すようにデルタ波()と呼ばれる特有の波形が観測されます。
 不整脈の場合には、正常な心電図に混じって通常状態とは異なる形状の波が時々出現します。
 心臓の心筋に酸素を供給するための血管が血栓によって詰まりぎみの場合、運動による負荷がかかった直後の状態では、心筋に十分な酸素を供給できない虚血状態に陥いり、STセグメントが通常の状態よりも下降するケースがあります。図5(b)に下降する場合の波形を例示します。

心拍数
 心電図は心疾患の診断だけでなく、さまざまな分野で応用されています。R波とR波の間隔はR-R間隔と呼ばれますが、60秒をR-R間隔で割れば心拍数が得られます。ダイエット運動でもっとも脂肪を燃焼させるのに適した運動負荷状態を維持する目的で心拍数をモニタする場合などに使われます。

ストレスや運動能力
 R-R間隔は通常変動しているものなのですが、健康な人、若い人、リラックスしている人ほど、揺らぎの幅が大きい特徴があります。その反対に、身体に大きな負荷がかかっている人、高齢者、ストレスがある人ほど、揺らぎが少ない傾向があります。
 図6に事例を示します。軽い運動中のR-R間隔を測定し、横軸に今回の測定値を縦軸に一つ前の測定値を取り、1拍ごとにポインティングしていくと、R-R間隔は心拍変動に伴って揺らいでいるため分布は広がりを示すのですが、年齢が若いほど揺らぎに幅があるため、図のような結果が得られました。年齢または運動能力を示しているかもしれません。